Category三橋鷹女 1/2
三橋鷹女
窓若葉ピアノの鍵を染めにけり...
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三橋鷹女
あすが来てゐるたんぽぽの花びらに花買はな雪解け窓を押し開き...
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三橋鷹女
梅雨あざみ爆撃機に乘りたし梅雨のミシン踏めり梅雨幽く兵士を思はざるときなし梅雨冷えのあざみを挿してかく手紙戦争はかなし簾を垂れて書く※幽く=かそけく...
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三橋鷹女
牡丹雪こころ火の国にあそべる粉雪かな暖炉燃え牡丹雪とはかかるもの雪粉雪受話器をながれ来たるこゑ...
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三橋鷹女
十六夜の外に出てこころつまづきぬ...
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三橋鷹女
すはう咲き散る老嬢のピアノが鳴つてすはう咲くすはう咲き老嬢は赤毛染にゆきたりすはう咲き老嬢混血児を召使ふ老嬢の近眼鏡に散るすはう老嬢の頬紅の色に散るすはう(三橋鷹女『三橋鷹女全集 第一巻』立風書房、1989年、p.114)...
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三橋鷹女
冬天へらくがきをして昏れてゐる...
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三橋鷹女
遙けし満月浪間で磨くみかげ石...
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三橋鷹女
四ン月やこころをさそふ水すまし...
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三橋鷹女
七夕は秋の季語ですが、旧暦とは感覚的なずれがあり、秋になると七夕のことを忘れてしまいそうなので、今ご紹介しておきます。 ねがひの糸七夕や夜空展け来水の面織姫は人の子吾のゆめに来も河骨の水底をゆけり別れ星うつし世にねがひの糸はかけざりき...
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三橋鷹女
北風のここに一羽の鸚鵡飼ふ...
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三橋鷹女
生涯の悪筆雁が鳴きわたる...
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三橋鷹女
秋暑く鶏頭Y氏の如く佇つ...
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三橋鷹女
すみれ摘むさみしき性を知られけり...
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三橋鷹女
蟷螂も燃ゆるカンナの中に棲めり...
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三橋鷹女
ふらここの天より垂れて人あらず...
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三橋鷹女
じゆんじゆんと秋刀魚の焼かれからぶ音...
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三橋鷹女
惜春やことば少なき夫とゐて...
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三橋鷹女
おたまじやくしの生るる日の字を書き並べ 平成22年の春です。新年のご挨拶もせずに失礼しました。 自作童話のほうに注意が向いていまして、こちらの更新が疎かになっていますが、ぽつぽつとでも続けていきたいと思いますので、今後共よろしくお願い致します。...
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三橋鷹女
たそがれて顔の真白き案山子かな...
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三橋鷹女〔立夏〕
夏来る白き乳房は神のもの...
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三橋鷹女
春風は吹けり裏町に児等あふれ...
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三橋鷹女
けものらの耳さんかくに寒明けぬ...
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三橋鷹女
鍵穴を冬が覗けり語らずも...
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三橋鷹女
柿熟るる肺腑がよごれゐる思ひ...
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三橋鷹女
しんじつは醜男にありて九月来る...
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三橋鷹女
夏痩せて火星に棲めるかほかたち...
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三橋鷹女
風吹くと鹿の子の瞳ものをいふ...
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三橋鷹女
かなしびの満ちて風船舞ひあがる...
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三橋鷹女
二ン月の心に入り来(く)つはものら...
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