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杉田久女

草むらに放ちし虫の高音かな

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松本たかし

木曾谷の奈落に見たる銀河かな

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三橋鷹女

たそがれて顔の真白き案山子かな

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川端茅舎

巌隠れ露の湯壷に小提灯(こぢやうちん)

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杉田久女

みづみづとこの頃肥り絹袷

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松本たかし

影遠く逃げてゐるなり砂日傘

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三橋鷹女〔立夏〕

夏来る白き乳房は神のもの

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川端茅舎

(さざなみ)の中に動かず蛙の目

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杉田久女

潮碧しわかめ刈る舟木の葉の如し

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松本たかし

八重ざくら八重やまぶきに黄泉(よみ)の杖

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三橋鷹女

春風は吹けり裏町に児等あふれ

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川端茅舎

囀りや銀貨こぼれし頭陀袋

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杉田久女

 杉田久女の桜の句を『杉田久女全集第一巻』(杉田久女著、立風書房、1989年)よりご紹介します。三の楊貴妃桜を詠った諸句のうち二番目の句は、名句の多い久女の句の中でも特によく知られた句です。わたしは三の最後を飾る句も好きです。




  桜の句

一 延命寺(小倉郊外) 三句

釣舟の漕ぎ現はれし花の上

花の寺登つて海を見しばかり

花の坂船現はれて海蒼し




二 阿部山五重桜(花衣所載) 四句


傘をうつ牡丹桜の滴かな

うす墨をふくみてさみし雨の花

雨ふくむ淡墨桜みどりがち

花の坂海現はれて凪にけり




三 八幡公会クラブにて 六句

掃きよせてある花屑も貴妃桜

風に落つ貴妃桜房のまゝ

花房の吹かれまろべる露台かな

むれ落ちて貴妃桜房のまゝ

むれ落ちて貴妃桜尚あせず

きざはしを降りる沓なし貴妃桜





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松本たかし

紅梅の下紅梅の鉢を置く


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三橋鷹女

けものらの耳さんかくに寒明けぬ


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川端茅舎

寒の野につくしつみますおんすがた


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ご挨拶が遅れました

 新年のご挨拶もせずに、失礼致しました。

 今年もぼちぼち更新していきたいと思っておりますので、気が向いたときはどうぞ遊びにいらしてくださいね。


 マダムN

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杉田久女

雪颪(おろ)す帆柱山(ほばしら)冥し官舎訪ふ

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松本たかし

とっぷりと後ろ暮れゐし焚火かな

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三橋鷹女

鍵穴を冬が覗けり語らずも

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川端茅舎

花を手に浄行菩薩しぐれをり

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杉田久女

まどろむやさゝやく如き萩紫苑

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松本たかし

梨棚の跳ねたる枝も花盛り

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三橋鷹女

柿熟るる肺腑がよごれゐる思ひ

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川端茅舎

秋風に浴衣は藍の濃かりけり

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杉田久女

甕たのし葡萄の美酒がわき澄める

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松本たかし

瓢箪の出来の話も残暑かな

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三橋鷹女

しんじつは醜男にありて九月来る

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川端茅舎

ガタ馬車のべらべら幌や麦の秋

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杉田久女

縫ふ肩をゆすりてすねる子暑さかな

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ごゆっくり、どうぞ

プロフィール

マダムN

Author:マダムN
作家の卵歴37年目のマダムです。

当ブログは、母胎ブログ「マダムNの覚書」から派生したブログのひとつです。
杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの句は、上記ブログで紹介していました。そこで、わたしの愚句(?)も紹介しています。リンク集からどうぞ、遊びにいらしてください。ホームページへもどうぞ。

当ブログはリンクフリーです。

メールアドレス:blancheur☆hotmail.co.jp
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いただいたコメント

高きより初富士を見て、石段を下りる。眼前に広がる稚児ケ淵。 雄大な景が広がりますね。 2008年01月01日(火) 08:48 | URL | てんてん

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